2026/03/26 14:38

大田区の大森にありました「ティールーム山王」さんをご紹介します。

JR大森駅西口から10分弱歩いたところにティールーム山王さんはありました。

大田区立山王小学校沿いの細くゆるやかなのぼり坂を上がっていくと、老舗の和菓子店をはじまりとした「山王小学校通り商店街」があります。ティールーム山王さんは商店街のちょうど真ん中あたりに位置していました。

お引取りにお伺いした日に、その商店街を歩いてみたのですが、ティールーム山王さんのすぐ隣は洋食店、その隣は中華料理店、近くにも寿司店やクリーニング店、パン屋、八百屋、散髪店などなど、長く営業を続けていると思われる個人店が多く並んでいました。
最近は店舗も減り、多くは取り壊され、住宅が増えてきたとお店の方からは伺いましたが、昔はこの近くに喫茶店だけでもほかに数軒あったそうです。

喫茶店を開業するにあたり、この商店街のこの場所が気に入り、お住まいだった品川区から移ってこられたと聞きました。
ティールーム山王さんがオープンしたのは昭和50年頃で、それから約50年間営業を続けられてきました。内装は落ち着いたクラシカルな雰囲気で、と知り合いの内装業者さんにお願いしたそうです。

椅子はきれいなダークグリーンのレザー調のものでしたが、20年ほどまえに張り替える前はダークブラウンだったそうです。その当時は最近の店内とぐっと印象が異なったのかもしれません。

お店はご夫婦で経営されていましたが、マスターは途中からママさんと一緒にお店に立つようになりました。マスターは以前は自動車のセールスの仕事をされていて、年末の有名音楽番組の賞品として大晦日に都内のホテルに車を納品しに行った思い出などもお話してくださいました。

マスター曰く、ママさんは明るくてとにかく人から好かれる方だったそうです。ママさんは時にはお客さんを思って叱ることもあったそうですが、いつも笑顔ではきはきして、「お客さんはみんな妻と話をしに来る、そんな感じだったね」とおっしゃっていました。

私どもは残念ながら営業中にお伺いすることが叶わずだったのですが、初めてお会いしたマスターはとても柔らかな表情の方で、おちついた優しい印象でした。いつも笑顔だったというママさんにもお会いしてみたかったなと思います。

地域の方々や近くが勤務地のサラリーマンの方によくランチを食べていただいたとお話くださいましたが、人気メニューは自家製カレーやハンバーグだったそうです。ハンバーグは一緒にお店に立たれていた娘さんがレシピをオリジナルで考案したもので、何度も試作し完成したものだそうです。
とても大きな寸胴で鶏がらスープをつくることから始めるというカレーは、仕込みに時間と手間をかける分、大変人気だったそうです。

下の画像は伺ったことのあるという当店のお客さまよりお借りしました。


メニューを見てみると、その種類の豊富さにおどろかされます。トースト、サンドイッチのほか、5種類のスパゲティのメニューもあり、パフェなども提供されていました。ここ5~6年ほど前からはいちごやバナナのフルーツサンドなども人気があったそうです。

コーヒーはサイフォンで丁寧に淹れて提供されていたそうです。私どもの対応をしてくださった娘さんは、ご両親の淹れるモカがとても好きで、いつもそればかり飲んでいたとお話しくださいました。
コーヒーもお食事もとてもお値打ちな価格で、「店は大変だけどお客さんのために、毎日来てもらえるように」と経営努力を何十年も続けてこられたお店の方々には敬服するばかりです。

お引取りさせていただいた食器の一部はすでに店頭で販売を開始しているものもありますが、一部はネットショップに掲載しました。また、販売する椅子は以下です。
またどなたかのもとで大切に使ってくださるとうれしいです。
なにかご不明点がありましたら、[email protected]までご連絡くださいませ。

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ティールーム山王さんで使われていたテーブル、ソファー、客席の仕切りとして使われていた木製のパーテーションなどは、東京・青梅で開業準備中のカフェ「波に千鳥」さんにお譲りさせていただくことになりました。
(ネットショップでの販売はありません…すみません!)

「波に千鳥」の加藤さまご夫婦とは、いまから4~5年ほど前からのお付き合いで、板橋区成増にありました喫茶店「不二越」さんのテーブルと椅子をお求めいただいたことがきっかけでした。その時に、青梅でカフェを開業したく、古民家を自分たちの手で改修しながら準備をしているとお話いただき、その後もお会いするたびに経過を伺うのが楽しみでした。

以前からカウンターも探されているということもご相談いただいていたのですが、このたびティールーム山王さんのご協力のもと、カウンターを外して移設することが叶いました。
下の画像はカウンターを外しているところです。

カウンターチェアもそのまま使われるそうなので、ティールーム山王さんの雰囲気がまた青梅で見られるのは私どもとしても大変うれしいことです。このように、街のひとつの小さな喫茶店の魅力と歴史を引き継いでくださることが一喫茶店ファンとしてもとてもありがたく、素敵なことだと感じます。

現在も店舗づくりは継続中ですが、オープンされましたら改めてお知らせしたいと思います。