2025/07/04 22:10

埼玉県・北坂戸にありました洋食店「キャリオカ」さんをご紹介します。
キャリオカさんは東武東上線の北坂戸駅東口から数分歩いたところにありました。
駅からまっすぐ伸びる道沿いにあり、お近くの方はご存知の方も多いのではないでしょうか。


洋食店といっても、パスタやピザをはじめとしたイタリアンのお店で、30~40人はゆうに収容できる広さがありました。
昨年の夏まで、マスターご夫妻とご家族で力を合わせながら、50年という長い歴史を作り上げてこられましたが、ご事情がありお店を閉じることになったそうです。

店内の壁には、マスターのお母さまが描かれたという絵画が飾られ、落ち着いた雰囲気でした。
写真にはうまく写っていませんが、天井に走るようにめぐらされた梁も年月を経てとても味わいがありました。

キャリオカさんは三角屋根の木造でとても素敵な外観の2階建ての建物でした。建物の設計はマスターがされたそうです。
実は、キャリオカさんはもともとは珈琲専門店として半世紀前にオープンしました。建物のテントの下にはその当時の名残を見ることができます。


マスターはお店を始める前は、東京や埼玉県内のトーアコーヒーとコロラドの店舗でアルバイトや修行をされたそうで、様々な珈琲店で学んだことを自らのお店に生かされたのではないでしょうか。


建物の2階は、マスターのお姉さまがケーキやパンを作る工房だったそうで、テイクアウトとしても人気だったそうです。
下の写真は、お片付けの途中で出てきた珈琲専門店だったときの伝票ですが、テイクアウトでホールケーキの注文がいくつか入っていました。喫茶店であっても、ケーキもとても人気だったのですね。

品名の「パウリスタ」「キャリオカ」は珈琲のメニュー名でしょうか。マスターにいろいろとうかがってみたかったです。
伝票の下のほうに、お客さんの来店時間をチェックする欄があるのは初めてみました。

オープンから10年ほど経ったころ、珈琲専門店からイタリアンのお店「デリカショップ・キャリオカ」として営業をすることになったそうです。
リニューアルに合わせて、大工さんに部分的に工事してもらったそうなのですが、その方は残念ながら途中でお亡くなりになり、上の写真でお見せした、本来は撤去するはずであった「珈琲専門店 キャリオカ」の看板が残ったままになったそうです。

店内壁に掛けられていた、大きなイタリアンのメニューです。本当に数多くのメニューがあり、人気のパスタやピザのほかにも人気のメニューがあったのだと思います。


団体のご予約も多かったと伺ましたが、むかし、海外からの大勢の学生をバスで迎え入れたこともあったそうです。40人の学生の料理を一度に準備するには追い付かず、大変な思い出のひとつだったと聞きました。
多忙な時期は息子さんや娘さんもアルバイトとして手伝い、ご家族でお店を支えてきたそうです。

ほかには、お店でお客さまの結婚式を挙げたこともあったとお話してくださいました。新婦の方が2階で着替えをし、2階から螺旋階段で降りてきて1階の店内に入場したそうです。ご事情があり、式場などで式を挙げることができずに、マスターがここでやろうよとご提案されたそうです。人情深く、心優しいマスターのお人柄に、結婚式を挙げたお二方もきっと思い出深く残っていると思います。

50年の間、良いことも大変なこともたくさんあったとマスターはおっしゃっていましたが、10年ごとになにか大きな変化があり、設備が壊れて出費がかさんだり、バブルがはじけたり、多くの社会の変化の波も幾度ものりこえてこられました。
マスターご夫妻には、半世紀という長い間、大変お疲れさまでしたとお伝えしたいです。
これからもご家族で穏やかにお過ごしになれることを願っております。



以下、お引取りしたテーブルと椅子です。


椅子は秋田木工のベントウッドチェア(曲木椅子)です。
背もたれが藤になっているタイプです。

どちらも在庫が複数あるため、飲食店の方など、おまとめでの購入をご検討の方はお早めにご相談くださいませ。

食器はグラスやカップ&ソーサー、プレートのほか、パフェグラスやアイスクリームカップなどをお引き取りしました。店名が入ったカップ&ソーサーや、ケーキなどの製菓道具も複数あります。準備ができ次第、店舗を中心に販売を開始いたします。中にはネットショップに掲載するものもあるかもしれません。

ご不明点あれば、[email protected]までご連絡ください。
みなさまのご注文を心よりお待ちしております。