2024/12/18 14:22
当店店主が以前訪れた喫茶店で、すでに閉店してしまったけれど記憶に残っているお店、というのは数多くあるのですが、そのひとつに、荻窪の喫茶店「エミー」がありました。
JR荻窪駅北口のロータリーに面してあったお店で、私は2002年頃に訪れているのですが、写真はなく、記憶の中にしか残っていません。インターネットで検索しても、ほとんど情報が出てこず、スマートフォンはおろかデジカメやブログ、といったものも一般的になる前に閉店されたものと思われました。東京を離れていた時期が長く、久しぶりに荻窪を訪れたときにエミーが無くなっていたのはショックでした。
私の手元には訪れた際にいただいたマッチがあるのみなのですが、拙著「喫茶店の椅子とテーブル」や、季刊誌「珈琲と文化」中の連載「喫茶店のマッチコレクション」(133号)にも勝手ながら掲載させていただいておりました。
このたび、お守りBOOKの製作を行っている日常キロク製作所の代表、鈴木さとみさまがエミーのマスターのお知り合いで、先述の拙著の中にエミーのマッチを見つけていただいたことがご縁で、マスターと娘さんにご来店いただき、貴重なお話を伺う時間をいただきました。
と同時に、エミーは2006年に閉店されていたことも知りました。
ご自宅で保管されていたという、マスター手作りの看板もお借りすることができましたので、しばらく当店店内にて展示させていただくことになりました。ぜひご覧いただきたいと思います。
この画像はマスターにご来店いただいた際に撮影したものです。(掲載の許可をいただきました)
鈴木さとみさまの製作による、エミーの「お守りBOOK」もご覧いただけます。エミーのオープンから閉店まで、貴重なお写真と証言の数々をご覧いただけます。
(BOOK内の撮影、投稿はご遠慮ください。1冊のみありますので、ご希望の方はお声掛けください)
看板(2種)、お守りBOOKの他に、
・エミーのマッチ
・雑誌「BRUTUS」(1999年8月1日号・写真家の篠山紀信氏の連載「人間関係」で、作家の沼正三氏と室井佑月氏の対談の場所としてエミーが使われています。)
をご覧いただけます。
展示の終了時期は未定ですが、2025年の1月中を予定しています。
店内はどなたでも入店できますが、展示物をじっくりご覧いただきたい方は、喫茶のご利用をお願いいたします。
「エミー」に行ったことのある方、お客さんだったという方はぜひ思い出話を聞かせてください。そうでない方もこの展示を通じて、荻窪にこんな素敵な喫茶店があったということを知っていただければ幸いです。