2024/09/21 17:30
湯島にありました喫茶店「フレンチヴォーグ」さんをご紹介します。
東京メトロ千代田線の湯島駅から近いところに1985年に開店され、以降39年間営業されてきた老舗の喫茶店です。
ビルの1階にテナントとして入っており、個人経営の喫茶店としてはかなり広い空間で、50席ほどあったのではと思います。

お店の外には「FRENCH VOUGE HARAJUKU」と書かれた照明看板が置いてありました。
聞くと、むかし原宿にあり、数年しか営業されなかったフレンチヴォーグ原宿店のものだそうです。
(余談ですが、VOUGEという綴りは造語だそうで、店名にもこだわりが感じられます)
クリームソーダのグラスは背が高いレトロなもので、見映えがすることもあって大変人気だったそうです。
私どもも以前からフレンチヴォーグさんのことは存じており、伺いたいと思っていたお店でしたので、行かれずじまいだったことを改めて残念に思います。
当店のお客さまよりフレンチヴォーグさんの営業当時のお写真をお借りできましたのでご紹介いたします。



フレンチヴォーグさんは、「ペンギンカフェ」というカフェ・レストランから歴史が始まったと伺いました。
同じ場所でマスターのご両親が始められ、喫茶店フレンチヴォーグになるにあたって店内を大改装したそうです。
天井の曲線的な漆喰などは、いまはもうできる職人がいないではとお店の方がおっしゃっていました。
曲線的な天井は、あたたかみがあり、優美な雰囲気を醸し出していたように思います。お客さんが心休める空間づくりにおおいに役立っていたのではないでしょうか。

店舗の設計はカフェや飲食店を多く手掛けている松樹新平氏です。彼の設計したお店で、今も営業を続けている喫茶店も多いので、訪れたことのある方も多いと思います。
天井には古材の梁が使われ、壁面は白い漆喰が時間の経過とともに褐色に近い色に変化して味わい深くなっています。
席によってテーブルと椅子が異なり、お気に入りの席を見つける楽しさもあったかもしれません。
窓際の席は日が差し込み明るく、奥の方の席は暗めで落ち着ける席でした。
店内のガラスウィンドウにはイタリア語の文字やデザインが彫刻されとてもお洒落でした。

カウンターには多くの美しいカップ&ソーサーがディスプレイされ、繊細なグラスがいくつも並んでいました。
お客さんに提供される食器は、カップ&ソーサー、シュガーポット、プレートに至るまで、ロイヤルコペンハーゲンやリチャード・ジノリ、ウェッジウッドなど外国の高級ブランドのものを使っており、お客さんの店内で過ごす時間を思いやり、とても大切に考えられていたのではないでしょうか。
ハヤシライス、ナポリタン、オムライスなどの食事メニューも充実しており、付近に勤める会社員や学生の方々に重宝されたのではと思います。
フレンチヴォーグさんは創業者からお孫さんの代になるまで3世代にわたって長い間ご家族でお店を守ってこられました。
「ペンギンカフェ」の時代から数えると、湯島の街の記憶のひとつとして、とても長い間人々に親しまれてきたのだと思います。
惜しまれつつその歴史を閉じられましたが、多くの方の記憶の中にフレンチヴォーグさんが長く長く残ることを願っております。

以下は販売する商品となります。
【9月23日(月)21:00より販売を開始いたします】
販売開始前のご予約、取り置きなどは承ることができませんので、ご了承ください。
椅子は何種類かあり、ネットショップで販売するもの以外にも店頭のみで販売するものもあります。
テーブルも極力店頭にも並べる予定ですが、重量のあるものは数多く店頭に並べることが難しいので、実際にご覧いただきたいものはご希望をいただければお応えいたします。
下記、一枚板のテーブルは状態によりお値段が異なります。
詳しくは各商品ページをご覧ください。
特にテーブルは数が多いので、飲食店やショップ向けに、揃いで購入をご検討いただける方はお早めにご相談ください。
装飾品や花瓶などもありますので、こちらはネットショップに9月23日 21:00頃をめどに公開いたします。
9月30日 2点の商品を追加しました。
そのほかのカップ&ソーサーやプレート、グラス類、洋銀のカトラリーなどは販売準備ができましたら主に店頭で販売いたします。
中古のものがほとんどですが、ブランド食器なども今後販売します。
今後もネットショップに追加するものもあるかと思いますので、楽しみにしていただければとうれしいです。
たくさんの方のもとにお届けできることを願っています。
ご注文を心よりお待ちしております。
何かありましたら、tokyo.muratashokai@gmail.comまでご連絡ください。