2024/01/23 22:56

地下鉄南北線の東大前駅近くにありました喫茶店「RAN」さんをご紹介します。

マスターとママさんで営業されていたRANさんは、1984年にオープンしました。RANさんはマンションの一階で営業されていて、大家さんのご家族と知り合いだった縁でこの場所でお店を開くことになったそうです。

 下の写真のお店の目の前の街灯には「ラン」の文字が見えます。

お店を開く場所は決まったとはいえ、そう簡単に準備ができるわけではなかったそうです。

資金調達と料理の腕を磨くため、マスターは1979年からアフリカのマリ共和国に出稼ぎに行くことを決めたそうです。当時、日本でもウラン探鉱プロジェクトが世界各地で進められており、民間企業のウラン探査事業団に同行する料理人としての仕事でした。

1年のあいだに4ヶ月間派遣される期間があり、それを4回こなし、多少の準備期間を経て晴れてRANさんはオープンすることになりました。

 私どもがお引き取りにうかがった際は、お片付けの真っ最中でなかなか店内の写真を撮影することができなかったのですが、店内は藤の家具でまとめられていました。


お引き取りの際に、ママさんが当時マスターがマリ共和国で過ごしたときの写真を見せてくださいました。砂漠をラクダに乗って散歩する様子や、現地の仲間たちと肩を寄せ合っている写真など、マスターの笑顔が際立つものばかりでした。 

フランスの旧植民地であったマリ共和国で腕を磨いたマスターのつくるお料理は、「肩ロースのソテー」や「スペアリブの赤ワインソース煮」など本格的なメニューが多く、現地での経験が大きく生かされているのだと思います。

とはいえ、こちらのメニューにライスとみそ汁がついて670円という破格のお値段で、大衆的なお店として長く自店を守ってこられたご夫婦には尊敬の念を抱かざるを得ません。


東京大学の農学部キャンパスの目の前にあったRANさんは、とくにコロナ以前は多くの学生や教授陣でにぎわったそうです。

RANさんのファサードの窓ガラスや看板には「La Cantine RAN」(ラ・カンティーヌ)と書かれていました。フランス語で「学生食堂」の意味を持つその言葉を看板に掲げ、39年間地域の学生たちを見守り続けてきたのだと思いました。

お引き取りの際は、ママさんが「ありがとうありがとう」と何度もお礼をしてくださり、トラックに荷物を積み込みいよいよ出発する私どもの姿が見えなくなるまで手を振ってくださいました。

これからもお元気でいてほしいです。39年間、本当にお疲れさまでした。

RANさんで使われていたテーブルはネットショップにて販売いたします。

2点あるのですが、1点は天板にダメージが多いため店頭のみでの販売となります。比較的状態のよいものをネットショップに掲載しますのでぜひご覧ください。


RANさんで使われていた家具は藤でそろえられていたのですが(椅子のお引き取りは叶いませんでした)、藤のインテリアスタンドライトも販売いたします。こちらは部分的にダメージがありますため店頭にて販売しております。


発送が難しい商品のため店頭のみでの販売になります。ぜひ店舗にてご覧頂ければと思います。

 お引き取りさせていただいた食器、カトラリー、調理器具などは一部すでに店頭に並んでいます。今後準備ができ次第、追加で店舗にお持ちします。

ほかネットショップに掲載している商品をこちらに掲載します。

ドイツの老舗メーカー シェーンバルド社の大きなオーブン皿です。幅は約40センチで、もともとは業務用ですのでとてもしっかりしたつくりです。高級なお品ですがお求めやすいお値段で販売します。

 

大切にしてくださる方のもとにお届けできることを願っています。


RANさんからはお店で配られていたマッチをたくさんいただいてきました。
当店をご利用いただいたお客さまに店頭にてお配りしていますので、記念にお持ちいただければ幸いです。(1月現在、なくなり次第終了となります)

何かご不明点やお問い合わせがありましたら、

tokyo.muratashokai@gmail.com までご連絡ください。

ご注文を心よりお待ちしております。