2022/02/06 16:46

さいたま市与野のカフェギャラリー シャインさんをご紹介します。

シャインさんは与野駅西口のすぐ近くにありました。駅から徒歩1分という場所で喫茶店として実に約50年もの間営業をされてきました。


シャインさんは3階建てのビルの1階で営業されていましたが、この場所はご依頼主さまのおじいさまの石炭会社の創業の地だったそうです。
今から91年前に創業され、事務所としてこの場所を使っていたそうなのですが、建物の1階の半分を人々が休める喫茶店として一般にも開放しようということで喫茶店も経営することになりました。
当時のシャインさんは薄暗い店内で、お酒のボトルがずらっとカウンターに並んでいるお洒落な雰囲気だったのでデートスポットとしても重宝されたとお話をうかがいました。

建物の老朽化により建物を立て直すことになった2000年より、シャインさんは喫茶店としてだけではなく、美術や音楽の分野の展示・発表の場としても多くの方の役に立てればという想いからギャラリーと、シャンソン、ジャズ、タンゴなど音楽のコンサートルームを兼ねた場所になりました。正面入口から入ると左側が喫茶スペース、右側が絵画作品が展示され、グランドピアノが置かれた文化スペースというつくりでした。

下の1枚目の写真が喫茶スペース、2枚目がギャラリーなどのスペースです。



このように変わった経緯には、ご依頼主のお父さまがフランス・パリ在住の著名な画家 五月女幸雄氏であること、またご本人が国際的に活躍されるピアニストであるということももちろん関係はしているようですが、さいたま市内のみならず関西などからも展示やコンサート開催の依頼があるなど、この場所がたくさんの人が集う文化・芸術のサロン的な役割を担っていたのだと思います。

約50年前に石炭会社の事務所の半分を喫茶店にしようと思ったのは、昔フランスの炭坑夫たちが仕事後憩いを求めたのがパリのカフェだったという歴史的なエピソードからも着想を得ているそうで、シャインさんのひとつのファミリーのお話がフランスと日本の間でどこかずっと繋がっているというのは面白いなあと感じます。

調理担当は喫茶店創業時から同じシェフが続けてこられ、50年ずっと変わらない人気メニューはナポリタンやチャーハン、炒めたバターライスと一緒に小さな鉄鍋でサーブされたというドライカレーなどだったそうです。お話をうかがうだけでとてもおいしそうで、ぜひ営業中にいただいてみたかったです!

2021年12月、年の瀬のあわただしい中、シャインさんは閉店されました。
老朽化した建物は解体されるそうです。
長らくこの場所にあったお店がなくなることで、寂しい思いをされる方も多いと思います。

シャインさんからは多くの食器のほか、杉板の大きなテ—ブルと椅子をお引き取りしました。

立派な杉板を使った大テーブルです。
重厚感のある味わい深い雰囲気で、主役的なテーブルです。


こちらは一本脚のカウンターチェアで、杉板のテーブルと合わせて使われていたオーダーメイドのものだそうです。


食器はプレートやグラス、カトラリーのみならず、多くのものを販売予定で一部はネットショップに掲載しています。
卓上照明など室内装飾品も今後販売予定ですのでチェックしてみてください。

最後に。
残念ながら喫茶店としてのシャインさんは閉店されてしまいましたが、今後ギャラリー部門のみ移転する計画があるようです。
今後も多くの人々が集う文化・芸術の発信地としてシャインという場所が続いていってほしいと思います。

またどなたかが家具や食器を引き継いでくださればうれしいとご依頼主さまがおっしゃっていました。
私どもも大切にしてくださる方のもとにお届けできればうれしく思います。

ご質問等ございましたらお気軽にご連絡くださいませ。
tokyo.muratashokai@gmail.com

ご注文を心よりお待ちしております。