2021/10/06 01:41

8月末に西荻窪の喫茶店「ダンテ」さんが閉店されたことは、喫茶店好きの方々の間で、また当店のお客さまの間でも大変話題になりました。

閉店されるという事前の告知がなかったので事実を知って大変驚かれた方が多かったです。私もその一人でした。
西荻窪で55年という長きにわたり営業を続け、西荻窪や中央線沿線の喫茶店の歴史を語るうえでなくてはならないお店でした。

閉店された後はお店へのメッセージがたくさん看板に貼られていました。閉店を惜しむお客さんがそれほど多かったのだと思います。
お引き取りの作業中も、多くの方が足を止めて長年の感謝の気持ちをご主人にお伝えされていました。

いまは無き、中野「クラシック」の店主、美作七郎氏が手掛けた山小屋風の独特な内装などは多くの書籍に紹介されているので、お店のご紹介はそれらに譲り、こちらでは多くを語らないことにいたします。

ダンテさんからは開店から使い続けられてきた椅子やテーブルをお引き取りさせていただきました。
通常であればネット販売を行うのですが、
・1点1点状態が違うものが多く、ネット上で状態をご説明するのが難しい
・西荻窪のお店ということもあり、地元のお客さま、ダンテさんに親しみのある方のもとにわたってほしい
以上の理由によりダンテさんのお品物に関しては店頭のみでの販売とさせていただきます。

椅子やテーブルなどは、10月6日(水)より当店店頭に並びます。
※ダンテさんの店頭ではございません。村田商會店頭での販売になります。

先に述べた理由のため、ネットでのご注文やご予約、お取り置きはいたしかねますので、ご了承ください。
販売状況なども随時変動いたしますので、お問い合わせをいただいても返答できないこともあるかと思います。
ぜひ店頭にて実際にご覧いただき、ご購入をお願いいたします。

開店から55年という長い間使い続けてこられたもののため、特に椅子に関してはがたつき、座面のやぶれがあるものが多いです。
できるものはフレームを組みなおして接着する補修を行ったりしていますが、完全に修繕することは難しく、日常で使用するというより何か物を置いたり、観賞用としての利用をお勧めするものも多いです。

多くの方がご覧いただくことが予想されるため、誠に勝手ですが、ダンテさんのお品物に関しては、
当面は発送を承らず、店頭よりご自身でお持ち帰りいただける方に販売させていただきます。

以下補足です。ご確認くださいませ。
・返品は基本的には不可となります。状態をよくご覧いただきご購入くださいませ。
・食器、調度品もわずかですがございます。準備が整い次第店頭に並びます。
・ネット販売は基本的にはありませんが、後日ごく一部のお品物をネットでも販売するかもしれません。
・10月6日の販売開始時に店頭に並ぶものがすべてではありません。メンテナンスが終わり次第、店頭に追加する予定です。
 どのようなものがいつ並ぶか、という旨のご質問にはお答えいたしかねます。
・発送も承りますが、店頭にてお求めいただいた方のみとさせていただきます。
・お求めいただいたお品物はその週の週末までにお持ち帰りいただくようお願いいたします。(保管スペースに限りがあるため)
・西荻窪周辺の方に限りまして当店によるお届けを承ります。基本は当店閉店後(19時以降~21時くらい)にてご相談いたします。
 その際は送料として1,000円頂戴いたします。
 (※当店でのお届けは、勝手ながら西荻北・西荻南・松庵・善福寺・上荻・南荻窪にお住まいの方に限らせていただきます。)
・お車でご来店の方は近隣のコインパーキングをご利用いただき、当店周辺への駐停車はお止めください。
・テーブル、椅子に関しては基本的にそのままのお渡しとなりますので、お運びに必要なものはご持参ください。

通常とは異なる販売方法とさせていただき、ご不便をおかけいたしますが、
多くの方にダンテさんのお品物が渡るよう願っております。
ご来店を心よりお待ちしております。

村田商會
東京都杉並区西荻北3-22-17
定休日:月・火
営業時間:12:00~19:00
電話番号:なし
お問い合わせはメール tokyo.muratashokai@gmail.com までお願いいたします。

以下、ダンテさんに関する個人的な思い出を書き連ねます。

ダンテさんを初めて訪れたのは学生の頃、2002年ころだったかと思います。
外から中がうかがい知れなかったので、ドアを開けるのにとても緊張したのを覚えています。
書籍で拝見して訪れたかった空間に身を浸し、落ち着くどころではなかったです。
それから約20年、同じく西荻窪のPOTの後を引き継いで喫茶店をやることになるとは、当時は思いもよらなかったので、いま振り返ると不思議な感じがします。
村田商會の店舗をオープンしてからも、ダンテさんには何度も足を運びました。
むかしは「重厚な空間を味わいにいく」というような構えた気持ちで入店したものですが、最近では、ひとり静かに読書をしたり考え事をしたりと、落ち着きたいときに自然と足が向く、私にとってそんなお店でした。
コーヒーとバウムクーヘンを注文することが多かったです。

定休日がなく、週7日お店を開け続けてこられた吹田マスターとママさんの姿勢はほんとうに尊敬いたします。
同じ西荻窪の反対側にダンテさんが存在していることによって私どももがんばれている、といっても過言ではありません。
長い間、ほんとうにお疲れさまでした。