2021/01/21 00:44

都営三田線の板橋区役所前駅から歩いて5,6分のところに喫茶パンダさんはありました。

中山道沿いにあり、車で何度も前を通っていたので長い間とても気になっていた喫茶店のひとつでした。
パンダさんは板橋三連会館というビルの一階で営業されてきましたが、老朽化にともなうビルの解体のため、12月25日で閉店されました。



喫茶店の名前でパンダというのは少し珍しい気がします。
ママさんに由来を聞くと、お店の創業した当時に初めて日本にパンダがやってきて世の中が大騒ぎしていたからだとか。
パンダさんのオープンは昭和47年。たしかに上野動物園に初めてパンダがやってきたのと同じ年です。

パンダさんは創業してから48年の間、三代にわたって営業を続けられてきました。
初代のママさんが純喫茶として喫茶店をオープンさせ、長い間お店を切り盛りされてきましたが、ご年齢を重ねてきたため娘さんにバトンタッチされたそうです。3年ほど前に、事情により二代目の方が継続してお店に立つことがむずかしくなったときに、ちょうどビルの解体のお話がありお店を閉店されることを考えたそうなのですが、ビルの解体までの3年を残して…という想いもありご家族が営業を引き継がれました。
三代目のママさんは本業の傍ら、パンダさんを引き継がれたため、閉店までの3年間は、月・水・金曜日の17時~19時という限定された日時での営業でした。それでも店内はいつも常連のお客さんでとても賑わっていたように思います。

パンダさんはビルができた当時から営業をされてきましたが、店内は一度改装しているそうです。
以前はアール状のカウンターで店内入って右側にあったそうですが、改装を経てカウンターは左側に移動しました。
昔はゲームテーブルなども置いていたそうです。
下の額縁に入れられた写真は、改装直後の店内の様子です。現在とは壁紙が異なっているので、改装後も何度か手を加えたのだと思います。



当初は喫茶とランチがメインの純喫茶として始められたそうですが、お客さんの要望に応えて徐々にアルコールやおつまみの提供も始めていったと伺いました。私どもが何回かお店にお伺いする中で、常連のお客さんとお話しさせてもらったのですが、なんと40年も通っているとのことでした。
多くのお客さんと三代の店主がともに長い年月にわたって築いてきた空間でした。


パンダさんからはテーブルと食器をお引き取りさせていただきました。
ママさんからは「せっかくご縁があったので使ってくださる方がいればぜひその方に届けてほしい」とお言葉をいただきました。
気に入って使ってくださる方に届けることができればうれしく思います。