村田商會

2017/06/01 17:19

南阿佐ヶ谷にありました洋食屋『きっちん ひとくち』をご紹介いたします。
『きっちん ひとくち』は、地下鉄丸ノ内線 南阿佐ヶ谷駅から南側に約5分ほど歩いたところにある老舗の洋食屋さんです。

44年前の創業時からご主人と奥様の二人で営業されてきたそうです。
創業当時からほぼ変わらない店内の雰囲気も良かったのですが、ナポリタンやハンバーグなどが充実しているメニューも豊富でとても魅力的でした。
定食にはスープでなく味噌汁がついてくるところも、「昔ながらの」という言葉がぴったりのお店です。

4月末の閉店間際に訪れた際、私がいただいたチーズハンバーグ定食です。
「ひとくち」という店名からは想像できない、ボリュームのある定食で大満足でした。


店内の写真もお見せしたかったのですが、閉店を惜しむお客さんでいっぱいで、ご主人もとても忙しそうでしたので撮影は控えさせていただきました。

店内で使われていた椅子に目が引かれ、ご主人に来歴を伺うと、とても興味深いお話が聞けました。
こちらの椅子は開業当時から使っていたものではなく、2代目だそうです。


開業当時は既製品の椅子を購入して使っていたそうですが、2年もしないうちに壊れてしまったそうで、その後ご近所にある家具職人さんに注文し作ってもらったものだそうです。
お店の周りには相撲部屋があり、力士のお客さんも多く、「お相撲さんが座っても壊れない丈夫なものを」というオーダーで出来上がったのがこちらの椅子で、以来40年以上、座面の張り替えなど細かい補修を行いながら、使い続けられてきました。
もちろん、お相撲さんが乱暴に座ってもフレームは壊れたりゆがんだりすることがなかったそうです。

大きい方がテーブル席で、小さい方はやや座面の位置が高く、カウンターで使われていました。
ご近所にあったという、その家具職人さんにもお話を伺いたかったのですが、残念ながらお亡くなりになっているということでした。

当店での販売にあたり、座面シートのやぶれとクッションの劣化が目立ちましたので、お買い上げ後も長年使っていただくために、極力もとのイメージを崩さない形でクッション材の入れ替えとシートの張り替えを行いました。
(椅子の張り替えを行う専門の業者さまに依頼して行いました)

このような、もともとの雰囲気を再現したシートに張り替えいたしました。
底面は布張りからベニヤ板に変えて、座面が落ち込む症状の出ないように作り替えてあります。

現在はほとんど見ることのない、個人で営業されている家具屋さんですが、当店で扱った椅子やテーブルも、当時の家具職人さんにオーダーで作ってもらったというものがあります。
もちろん、それぞれの良し悪しはあるのでしょうけれど、既製品よりも、職人さんの作ったものがこうして長く使われているということは、大量生産の工業製品がほとんどのこのご時世で、とても貴重なことのような気がします。


この椅子のインパクトのある、高い背もたれの見た目もさることながら、先のエピソードをお聞きして、この椅子は何としても残してまた長く使ってもらいたいと思いました。
新しく張替えた座面シートは、使い込まれたフレーム部分や背もたれ部分と比べると新しすぎて若干違和感があるかもしれませんが、長年使っていくうちに違和感なく溶け込んでくると思います。

きっちんひとくちにて40年以上使われていたこの椅子を、またどこかでさらに何十年と使っていただけたら幸いです。
サイズなどの詳細や、お買い上げは以下商品ページからお願いいたします。


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